息子と家族

カフェくくる うるとらまん

2013年10月25日 16:54

息子を中心に家族のことをまとめてみました。


息子が八ヶ月ぐらいでの出来事です。

 今までいくら泣き叫んでも、振り向かない母親にお母さんは、耳が聞こえないのかな?と感じはじめてきました。どうして????お父さんは、ちゃんと聞こえるのに????自分も聞こえるのに???息子は、頭を抱えます。
耳が聞こえないて何だろう・・・・どうしてだろう・・・・
 ある朝の朝食です。
オーブンがチーンと音が鳴りました。気づかないお母さん。息子は、じーと母親を無言でみています。いつもと違う息子に私は興味津々でした。
母親と息子の目があった瞬間、息子は黙って、右手でオーブンを指して、チーンしたこと教えてくれました。
息子は、お母さんの耳になることを覚えていきました。

息子が一歳ぐらいのときの話です。

息子は保育園で歌を覚え楽しそうに歌います。家内は、自分にできない事ができる息子をたくましく思えたのか、ただ微笑んで息子を見つめていました。
家内は学校の音楽の時間でのいじめの後遺症で音楽は嫌いです。
今の歌は何?聞いてきます。「赤とんぼだよ」と答えました。私は、耳が聞こえないから仕方がないと思いました。 息子が楽しそうに歌っていることを喜んでいる家内をみているだけで幸せを感じていました。
こんなやりとりがしばらく続いたある日、家内は息子が歌う、こいのぼりの歌に合わせて歌いだしました。リズムは滅茶苦茶でした。
でも一生懸命歌っていました。息子の唇の動き、身体の振動で音楽を感じていました。息子は今まで黙って聞いていた母親が突然、一緒に歌いだしたのが嬉しかったのでしょう。
大喜びで段々声が大きくなりました。 何度も歌っていました。
耳が聞こえないから音楽は嫌いと言っていましたが子供の素直な心に何かがはじけたように思いました。


息子が2歳の頃です。

妻が耳が聞こえなくて困ったことは、家に鍵がかかり、中に入れないことです。
窓の外から妻が本を読んでいる姿がみえるのですが、いくら大きな声で呼んでも、気づいてくれません。声の代わりに光で知らせる装置があるのですが自分は困らないので必要ないと妻は言います。。そんな日は朝まで車で寝ています。
ある晩の日のことです。
その日も鍵がかかり、妻は寝ているようでした。今日は車で寝るのかと思った瞬間、靴の音で、お父さんが帰ってきたことを知った息子が「お父さんだ」と私のことを気づいてくれ、ドアが開きました。靴の音で誰なのかがわかるんですね。
その時の息子の声は可愛くて頼もしかったです。息子のおかげで車に寝ることはなくなりました。

息子が三歳ごろの話です。

息子はお母さんの補聴器に興味を抱き始めます。補聴器はお母さんの必需品であることがわかったようです。
息子は悪さをしてひどく母親から怒られました。息子は反省している様子でした。これで一件落着と思っていました。
ところが次の日の朝、補聴器がないのです。
仕方なく、そのまま職場へ。息子を問い詰めると、してやったりの顔をして補聴器を隠した場所に案内しました。やったという満足した顔をしていた。

ろう者の友人が小学生の長男の家庭訪問の話をしてくれた。
息子は先生に両親がろう者であることを教えていなかった。
親が障害者であることに後ろめたさみたいなものがあったのだろうか、息子は両親がろう者であることを言えなかった。
先生は、障害がありながら子供を育てるにはどれだけの苦労があったか、それを乗り越えてきた親を誇りに持ちなさいと担任の先生が激怒した。
子供が、小さい頃はよく熱をだす。手話のできる看護婦、医者は少ない。コミニケーションには苦労した。
寝ていて子供が泣いてもわからないので、タオルでまいて腕枕にして泣き叫んだときの振動でわかるようにしたりと工夫して育ててきた。
それ以来、息子は両親がろう者であることを隠すことはなくなった。

うちの場合は私が聞こえるので息子が夜泣きすれば私が息子の世話をした。
医者との会話は私が担当した。学校での授業参観では手話通訳した。
通訳大変ねと思われる事が多いが苦に思ったことはない。手話サークルなどで耳が聞こえない人との出会いのおかげと感謝している。
車椅子、聴覚、内部障害などのハンディある仲間と夫婦でバンド活動してきた。
息子は幼い頃から多様な障害ある人との交流があり母親が耳が聞こえないことに何の違和感もないようだ。
私は一度も障害ついて話をしたことがないが息子は息子なりに自然に受けとめているようだ。
妻は教育熱心だが私は放任主義だ。
私も教育熱心では息子は勉強嫌いになると思う。
妻が叱れば私は息子をかばう。
私も叱れば息子は逃げ場がなくなる。
子供の教育の方法は色々あると思う。うちは、こんな感じで子育て楽しんでる。

息子が幼稚園生の頃です。

耳が聞こえないくくるの乙女のバンドを結成し家内はピアノを担当することになり音を息子と確認しながら練習しています。
息子はお母さんの耳になろうと一生懸命です。息子は息子なりに音が聞こえないて何だろう?どうやって音を教えたら良いのだろうと悩んでいる姿が印象的でした。音楽は親子の絆を深めてくれていました。




息子が小学1年生の頃です。

入学式での写真です。



息子は小学一年生ですが小学3年生ぐらいの漢字力があります。
どうしてなのか不思議に思っていました。息子との何気ない会話でわかりました。
妻は耳が聞こえないのでテレビは字幕でみれるテレビをよく見ます。息子はその字幕をみて漢字をおぼえたそうです。

家内が風邪で病院にいます。家内は耳が聞こえないのでアナウンスが聞こえません。息子は家内の名前がアナウンスされると家内に伝えてくれました。相変わらず動き回り落ち着きがないけど、ちゃんとお母さんの耳になってくれる息子です。



明けましておめでとう!親戚の家でくわっちーしています。



チラシが出来上がりポステイングしました。「太翔もやる」と一緒にポステイングしてくれました。汗びっしょりの息子でした。

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